5時に時計台の下で
「10秒経ったら探しに来てね」
「どこにも行かないから準備が出来たら教えてよ」
「声を出したらバレちゃうから」
「10秒間待ったら探しに行くよ」
そんな風に余裕ぶっていたから
気付いたら日もだいぶ暮れてしまっていた
「ごめんね」と焦る僕 怒っている君
とある夕方5時のこと
君の居場所を確かめるように
わざと大きな声で
小さな君の名前を呼んでいたんだ
君から出てくるように
「大きくなったらお嫁に行くよ」
「なんでもそうやってさ、勝手に決めないでよ」
「わかったじゃあもう最後にしよう」
「そういうわけじゃないよ、なんて言ったらいいかな」
僕だけが知っている呼び方で
他の誰かも呼んでいたら
君を遠くに感じてしまうから
何回も呼んでいた
君の気持ちを確かめるように
わざと大きな声で
綺麗になった君の名前を呼んでいた
あの時言った言葉
今でも覚えてる
この歳になっても思い出しているよ
あんな事もあったなぁって
珈琲を飲みながら話すのもいいね
5時を知らせるチャイムと
「おかえり」
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