言ノ葉
子供の頃に思っていた
大人ってのは成ってみればあっけなかった
蓋を開けてみれば「こんなもんか」と
ちっぽけだった
無くさないように
仕舞っていたカケラは
どこに行ったんだろう
気付かぬうちに落としていたのかな
どこかで勘付いていたんだけど
大人に成って言えなくなった
本当の「ありがとう」はいつも
こんな風に言いたかった
訳じゃないはずなのに
御伽噺のように進まない時間を
疎ましいと
終わらせたい悲しみを早く
二律背反のジレンマで生きてる
「まついつか」って言った君が
いつもより無理して笑っていて
引きつってたその君の笑顔に
冷たく笑って見せた
「また明日」の言葉の価値を
知ったのが少し遅かったみたい
大人に成って言えなくなった
本当の「ありがとう」はいつも
こんな風に言いたかった
訳じゃないはずなのに
君がいなくなって
願うほど遠くなって
背中に向けて言った
「ありがとう、ごめんね」
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